農業ロボットの応用と課題

農業分野におけるロボットの応用と課題

ロボット産業を今すぐ発展させるべきとされる理由の一つは労働力の不足です。しかし、実際には過酷な労働環境から人々を解放することがロボット開発の本質的な理由です。例えば、60度にも達する夏の温室内で農業労働を行うことは、労働力がどうであれ、健康を守るために人々をこの環境から解放する必要があります。

農業は複雑なシステムです。単純な作物栽培でも、播種、育苗、移植、定植、灌漑、除草、農薬散布、剪定、受粉、摘果、収穫、運搬、保管など、多くの段階を経ます。これらの各段階を段階的にロボットに委ねる必要があります。

現在の農業ロボット開発の動向

  1. 現在、研究機関の農業ロボット研究は主に収穫に焦点を当てています。収穫では、収穫対象の認識、切断位置の特定、実際の収穫作業の3つの問題を解決する必要があります。収穫対象の認識には画像認識が必要で、AI技術が注目を集めている今、研究資金を得やすい状況です。また、収穫は耕うんのように大きな力を必要としないため、比較的簡単に取り組むことができます。

農業ロボットが解決すべき共通課題

  1. コストの低減
    農業ロボットの価格を通常の農機具と同等にする必要があります。現在、農業ロボットは高価で、特に短期間しか使用されないロボットはコストに見合わない場合があります。例えば、茶摘みロボットは14日以内に作業を終える必要があり、多数のロボットが一度に作業を行う必要があります。

  2. 複雑な地形への適応
    農業の現場は非常に多様で、温室一つとっても、緩い土壌、硬い地面、泥地、田んぼなど、様々な環境があります。どの移動プラットフォームを選ぶかが非常に難しい課題となります。

  3. 農機と農業技術の標準化
    農業生産は全体的には標準化されているものの、詳細な部分では非常に分散されています。地域ごとの特性に合わせた農機の設計が必要です。例えば、ブドウの栽培では、角度に関係なく収穫できるロボットを開発するよりも、ロボットによる自動収穫を考慮した栽培方法に変更する方が簡単です。

  4. 安定性
    農業生産はタイミングが重要です。最も困るのは農機が突然故障することです。従来の機械式農機具は自分で修理できますが、農業ロボットには複雑な電気系統やプログラムが組み込まれているため、修理が難しくなります。メーカーが迅速に修理対応できない場合、生産に大きな支障をきたします。

iNote Lab

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公開日 2024-07-10, 更新日 2024-11-07